和平は欧州の責任でやれ?

ゼレンスキー大統領は2日(現地時間)に英国ロンドンでキア・スターマー首相ら欧州各首脳と会ってウクライナの安保強化のための首脳会議を行った後、英国王チャールズ3世と会い「国王陛下がウクライナを助け、われわれを支援してくれたことに対して非常にありがたく思う」と謝意を伝えたという報道がありました。

それはそれで喜ばしいことですが、和平は欧州各国がやればよいことで米国がウクライナから手を引くというシナリオが見え隠れします。「バイデンが間違ったのだから知るものか」みたいな暴論は、国際社会の信義則に反するばかりか、国際連合による国際協調を放棄することにもなりかねません。

国連安全保障理事会における拒否権は、米国、英国、仏国、中国そしてロシア連邦だけに認められた特権ですので、この5か国の意見がまとまらないものは拒否される恐れがあるのです。

欧州が分裂せずにまとまることは重要ですが、ロシアのみならず中国が拒否権を多用することになれば、国連安保理はもはや機能しないことになってしまう危険があるのです。

社会医療ニュースVol.51 No.596 2025年3月15日