自分を信じる力
なぜドイツ人女性はメイクをしないのか?ドイツには「自分の人生」を自分らしく生きています。「場の空気を読み、他人に嫌われないように生きてきた自分とは、まったく違っていました」からはじまるキューリング恵美子さんの「ドイツ人はなぜ『自己肯定感』が高いのか」(小学館新書414)は「ストレスフリーな生き方の極意」を伝えていて、とても新鮮な本にまとまっています。
ドイツの若者が「自分には長所があり」「自分自身に満足している」割合が高く、日本では高くないといわれれば、そうなんだろうと思ってしまいます。ところで「自己肯定感」との関係は必ずしもあきらかではありませんが、各種「幸福度」「健康度」みたいなアンケート調査でも、日本が低いという結果が多いように思います。日本では、肯定的で積極的で楽観的で能動的が過ぎると「和」を乱すとか「空気が読めない」という批判があるように思いますが、もっと「自己肯定感」を高めた方が生きやすいのではないでしょうか。
それはそうなんだろうということを理解しても、ドイツ人が飛びぬけて「自己肯定感」が強いのか、米国やフランスと同じ程度なのかもしれないし、単に日本人が「なんとなく自信がない」のかもしれません。それにしても欧州の中ではドイツが「自己肯定感」が高いといわれると、なんとなく納得してしまいます。
◎W杯で欧州の歴史を知る
そう思うのは、今野元さんの『ドイツ・ナショナリリズムー「普遍」対「固有」の2千年史』(中公新書2666)を読んで、この30年間でドイツ人が一層「自己肯定感」を高めているような気になるし、欧州のリーダーの地位にいることは明らかなのではないかと、わたしが勝手に想定しているからなのかもしれません。この本の帯には、「『欧州に冠たるドイツ』による世界の道徳的征服」とあり、楽しめました。
ついでといっては申し訳ありませんが、中嶋洋平さんの「社会主義者前夜―サン=シモン、オーウェン、フ―リエ」(ちくま新書1688)は学生時代にマルクスとかオーウェンを読んだことがある方に、お奨めします。少し前ですが中嶋さんの「ヨーロッパはどこかー統合思想から読む2000年の歴史」(吉田書店2015年)も習作です。中嶋先生のような若手学者がいれば日本はまだまだ戦えますよ。
『ブラボー日本』いいですね。
社会医療ニュースVol.48 No.569 2022年12月15日