地方病院のパーパスとは何か

愛媛県四国中央市にあるHITO病院石川賀代理事長が『病院DX』の第2弾を出版されました。書名は『THE PURPOSE VUCA時代の地方病院改革』幻冬舎です(四六判182頁、定価1760円)。

書籍紹介には「19床の診療所から始まり257床の地域中核病院へ」「診療科と病床機能の再編、DX導入、地域包括ケア、働き方改革」「四国の病院理事長が行った病院改革とは」「激変する社会環境の荒波を乗り越えるヒントが得られる一冊」と書いてあります。

確かにそうなんだろうとは思いますが「経営者は社会における企業のパーパス(存在意義)を明確にして原点に立ち返り、事業目的を追求することが大切だといわれています。病院経営もまた同じです。医療従事者は何のために存在しどのように患者のニーズに応えていくべきなのか。パーパスを明確化することで自ずと取り組むべき課題が見えてくるはずです」というところにこの本の真価があります。「どんな患者も見捨てない」「患者を家族のように思う」という先代から受け継いだDNAを「人を真ん中においた病院」という分かりやすい言葉に変えてパーパスとして示すことで、スタッフ全員の意識を大きく変え組織が一丸となって歩むことへとつながったというストーリーはキレイです。

長年お付き合いいただいているわたしとしては、「なぜ帰ってきたのだろう、東京に戻ろう」(101頁)と石川賀代医師が独白している場面が印象的です。病院のパーパスの明確化は最重要課題であることは確かですが、どこにも逃げ場がない病院経営の全責任を担う社会医療法人の経営者としての自覚と覚悟はそれ以上貴重だと改めて思い知らされました。もうひとつ、なぜ「地方病院」と書くのだろうと思い悩みます。首都圏対地方、都会と田舎、全体と地域、国と地方という区別は可能ですが中央に対する「地方」といういい方は何を意味しているのか必ずしも明確ではありませんが、紙の町四国中央市にある「地方病院」がどうしたのか?その答えを尋ねたいと思いますが、多分大都市や中央でなくても「canだしdoneよ」と答えてくれるのではないかと思いつつ本を閉じました。日本の病院は明確なパーパスを旗印に、理事長先頭にケッパレ!

社会医療ニュースVol.49 No.570 2023年1月15日