高齢者診療の極意

凄いタイトルの本が医学書院のゼェネラリストBOOKシリーズから出版されました。著者は木村琢磨先生です。現在、埼玉医科大学総合診療内科教授を勤めながら外来や訪問診療を実践していらっしゃいます。先生とはシルバーサービス振興会の介護キャリア段位部「レベル認定委員会」でご一緒に仕事しています。先生から『高齢者診療の極意』を送付いただきましたので、読んでみました。まず、簡単な症例があり、それを総合診療医である通称「赤ひげ先生」と卒後10年の「のぼる医師」が対話する形式で進みます。その後、症例の経過があり、「のぼる医師が気づいた高齢者診療の極意」が数行にまとめられ、文献が示された上で、「赤ひげメモ」が示されています。こうした症例が29、赤ひげメモは30示されています。

あとがきに本書は「医師と患者に加えて第三者を意識する必要性」と「若・壮年者にはあまりない漠然とした臨床問題」を主眼に書いたとあります。「これらを勘案しなければ臨床がうまくいかない時代になっているのではないかというのが筆者の考えの根本です」とのことです。

わたしにとって「めまい・ふらつきは複雑な背景を解きほぐそう!」とか「しびれは生命・機能予後や分析パターンを考えよう!」そして「高齢者の末期の見立ては困難と心得よう!」はとても興味深かった。この本が高齢者ケアに従事する医師以外の従事者にとても役に立つのではないかというのが、なんとなくさわやかな読後感です。

社会医療ニュースVol.49 No.570 2023年1月15日