邉見公雄先生のご著書
あるZoom会議で邉見先生のお顔を拝見しましたら『令和の改新―日本列島再輝論』をご恵贈いただきました。先生は赤穂市民病院院長を長年お勤めになり、全国自治体病院協議会の会長も歴任した「医療のご意見番」で、おっしゃることは正鵠です。わたしは秘かに38年前から4期日本病院会会長であられた諸橋芳夫先生の再来ではないかと思い込んでいました。
諸橋先生といってもご存じでない方も多いと思いますが、「喧嘩太郎」と呼ばれた日医会長の武見先生に真正面から喧嘩を売れる唯一の方で、わたしが駆け出し時代に何か雑誌に書くと「君は医療がわかってない」と毎回叱責され、4回目に必ず「よく書けてる」と電話でおっしゃられました。勘弁してくださいと申し上げると「人間は3度に1度ぐらい褒めてやらないと働かない」と真顔でおっしゃるので、正直苦手でした。
ご恵贈いただいた本は多少シニカルですが他者を批判するようなことは書いてありません。しかし、全てを読み合わせると日本の医療をどうするのかという1点に関しては、諸橋先生と同意見なんだろうと読ませていただきました。ただ、地域を守るのは病院で、病院がなくなれば地域が消滅するのだというようなご指摘は、多くの人々に共有していただきたいと強く感じました。
社会医療ニュース Vol.47 No.552 2021年7月15日