学校が怖い児童と生徒
パンデミックとの長期戦で、社会の実像と虚像が見え隠れしているように思う。あまり高く評価されていないのかもしれないが、全世代型社会保障制度で保育料をはじめとする子ども・子育て支援が制度化されていて、つくづく良かったと思う。子育て世帯の可処分所得の低下に対して、わずかながら役立っているし、家庭内の児童虐待に社会の目が注がれたのも前進だと思う。
感染対策だとか、社会経済対策が重要な時期であるが、子どもたちへの影響も無視できない。「感染するとみんなにイジメられるのが怖くて、学校に行きたくない」と話している子どもの映像があった。感染するのも怖いが、それに以上にイジメが怖いということだ。最大の被害者は、いつも子どもで、世相を敏感に読み取っている。
大学生の帰郷をかたくなに拒む親もいるし、感染者を地域社会から排除しようと奔走する業の深い人もいる。何とかしようと思うなら、高齢者が先頭に立って社会運動を巻き起こす気概はないのか、と腹が立ったり、なにもしないのは加害者側なのかと落ち込んだりもする。
社会医療ニュースVol.46 No.542 2020年9月15日