GoTo未利用者として
政府のやることが正しいかどうかわからないこともあるし、感染症と経済のバランスというのも大切だと思う。政府が勝手に始めたGoToをどうするか知事が決めればよいというのもおかしいといわれれば、そうなのかと思う。結局「高齢者と基礎疾患を持つ都民は自粛して欲しい」ということになったそうだ。
何が正しいのか。何が正義なのか。どのように行動したらよいのかということを考えることは、重要なことだと思うが、どうも他人に強要することは難しい世の中なのだろう。政策としてGoToだけに固執する理由はないし、クーポン券を配ればみんなが旅行するとか、外食するだろうとか考える単純な政策担当者ばかりではないと思う。大衆迎合的制度政策だけでは、パンデミックは乗り切れないと思うし、この機会に社会保障制度全体を真剣に見直すことが必要なのではないかと考えてみている。
社会保障の基本は所得保障である。生活保護制度はどうするのか。ひとり親世帯や低所得者の所得保障は見直さなくて良いのか。雇用保険制度はパンデミックに対応できる仕組みになっているのか。そして、医療や介護サービスは部分的に改善せざるをえないのだと思う。
これらの課題とGoToとではどちらが大切かなどといっても、むなしいだけなのでやめておくが、わたしは今までもこれからもGoToは使用しない。ただし、安全なワクチンが普及し、治療薬も見つかり、高齢者も基礎疾患もお金を使ってくれと要請されれば、もしかしたらGoToを利用させてもらって観光旅行に行くかもしれない。ただそう思うだけだ。
社会医療ニュースVol.46 No.545 2020年12月15日