緊急事態宣言延長される
2日の節分の夜、政府は10都道府県の緊急事態宣言を3月7日まで延長することを決めました。明けて3日は立春です。昨年のこの日「ダイヤモンド・プリンセス」が横浜港に入港し、日本政府が14日間の下船拒否しましたね。
12日は旧正月、中国では春節、ベトナムではテト、韓国ではソルハラで、これらの国では例年なら帰郷ラッシュで民族の大移動のようなことになりますが、今年は全く静かなそうです。昨年の2月27日から学校の一律休講が要請されましたよね。
全ては1年前の出来事ですが、やはりこの1年間は何にもなかったように思えてなりません。梅はみましたが、ひな祭り、卒業式、入学式、花見、ゴールデンウィーク、七夕、秋祭り、七五三、クリスマス、お正月などのイベントはほとんどありません。新年会、送別会、クラス会や同窓会、忘年会おまけに結婚式への参列も葬儀や法事への参加も1度もありませんでした。何にも行事がなくなってしまったせいか、美しい日本の旧暦には24節季があり、農作業は立春から大寒までの区切りで営まれてきたことがよくわかるような気がします。この1年はなかったことにして、1歳長生きすればいいのだと訳の分からないことを考えたりしています。
緊急事態宣言での自粛要請に応じてくれる人が多数だと、おかげさまで新規感染者数が減少します。何か科学的な根拠があるわけでないのに「東京都の新規感染者数が1日500人以下になればいい」などと聞くと、なんかがっかりします。重篤な患者さんに対応する重症者用病床がないことが最大の問題なわけではないのでしょうか。感染しても無症状の人もいますが、感染して突然重篤に変化し、重篤になると生か死かの瀬戸際まで運ばれる、というイメージから抜け出せません。同年齢かそれ以上の生還者の話では「覚悟した」とのことです。感染者数が減少することはありがたいのですが、狙い撃ちされているような恐怖から抜けだせません。
このような愚痴をメールに書いたら、三浦公嗣先生から「感染者が増えて、その人達が高齢者を感染させ、感染した高齢者が重症化し死亡するとともに、感染者が増えた結果として市中感染が増え、それが病院や施設に持ち込まれて院内感染等が発生するというシナリオですから、根本から押さえないといけないのです」と「喝」がきました。わかっているつもりですが、だれかに愚痴りたい時もあります。
いま、重篤になり生還してきた先輩に、闘病記を書いてくれるように依頼しています。近日中に社会医療ニュースのHPのブログに掲載する予定です。どうやら1年間は自粛できましたが、あと1年続くと思い気合入れ直します。
社会医療ニュースVol.47 No.547 2021年2月15日