パンデミックの影響と航空会社経営

6月22日、久しぶりに羽田空港に行った。空港ロビーは閑散としており、受付カウンターの多くは閉鎖されていた。機内はすべての席が隣に人が座らないよう工夫されているらしく、ガラーンとしている。飛行機がたくさん駐機しているのがみえたが、国際線エリアは、すし詰め状態だった。都道府県間の移動制限は一応解除されたが、以前のように満席ということは当分なさそうだし、国際線はいつ全開できるのかもわからない。

パンデミックの影響で航空会社は、経営を継続できなくなるのではないかと真剣に考え込んでしまった。世界の航空業界は、LCCとか呼ばれる格安運賃会社が増え、機数も旅行客も激増した。一時は、世界中でパイロット不足が深刻という報道もあった。この10年間で、出国日本人は10%程度の増加だが、法務省の言葉で「訪日外客数」というのは4倍になったそうだ。

年間出国日本人は1.8千万人弱で、インバウンドは3.3千万人程度ということになる。一時、京都などからオーバーツーリズムの悲鳴が聞こえていたのに、政府は観光立国として、4千万人という目標を掲げたし、さらに6千万人まで拡大するなどの予定も示していた。これも見直されることになるのだろう、と思う。

ヨーロッパ最大の航空会社ルフトハンザが倒産の危機にあったが、ドイツ政府は1兆円強の巨額の財政出動で全面的経営支援をやっと表明した。経営悪化は、世界中の航空会社同様であるが、元国営系航空会社ほど再建が困難で、LCCの中には撤退せざるをえないものもでてくるのだろう。ボーイング社は旅客航空機の生産を急激に縮小するそうだ。以前経営破綻した日本航空は、株主に経営責任を押し付け、株券をゼロにしたが今度はどうするんだ。政府に覚悟はあるのか? 

社会医療ニュースVol.46 No.540 2020年7月15日