更井哲夫先生に取材

3月中旬の社会福祉法人岡山博愛会病院にお邪魔し、更井哲夫理事長にお話を伺うことができました。目的は創設者アリス・ペテー・アダムス(1866-1937)女史のお話しを直接伺うことです。女史は25歳の時アメリカンボードの宣教師として岡山に着任、その年のクリスマスに子どもたちを自室に招いたことからはじまります。

女史は医療・社会福祉に従事し、岡山孤児院を開設した石井十次(1865-1914)、東京と北海道に家庭学校を設立した留岡幸助(1864-1934)、日本人初の救世軍士官である山室軍平(1872‐1940)とともに「岡山四聖人」と称されています。私はこれらの人々を約50年前に知り、日本の社会事業史について何か書いておきたいと思いつつ本や資料を拝見してきました。知れば知るほど書けなくなるというか、とてつもない信仰心と凄まじい使命感で偉大な社会事業を構築されたことに脱帽するだけです。更井先生に感謝です。

とても気になるのは、歴史は風化してしまうということで、資料の保全とか記録の保管、それとともに関係者や後継者たちの肉声を聴いて資料としてまとめる作業が必要だということです。読者の皆様で社会事業・戦後の社会福祉事業や病院の過去の歴史ついて資料をお持ちの方は、是非整理して保管しておいて、50年史や90年史として取りまとめる作業をお願いします。

社会医療ニュースVol.49 No.573 2023年4月15日