「ジャマおじ、ジャマおば」化回避連合結成

毎年楽しみにしている「現代用語の基礎知識選2021ユーキャン新語・流行語大賞」が発表され、「リアル二刀流/ショータイム」に決定して嬉しかったです。やはり大谷翔平さんは偉大で、感染症関連も封じ込め、オリパラを抑えての堂々第1位で、おめでたいことです。

トップ10には「親ガチャ」というのが入りましたが「出生にあたり、運次第のガチャ(ソーシャルゲームやカプセル玩具自販機)を1回しか回せないような、親を自分で選べない状況を指した言葉」なんだそうですが知りませんでした。選考理由は「ガチャガチャで出てくるアイテムのように、親を自分で選べないことで、親が当たりはずれだったりすることを、ひと言で表現した言葉」との説明です。正直いってわかるようでわかりませんが、若者が希望をなくしていることを象徴しているようにも思えます。

実は、流行語に50歳以上の職業人の中に不要の人が少なくないことを意味する言葉が選ばれなかったことに胸を撫でおろしています。11月末のNHKスペシャルでも放映されましたが「シン・ニホン」の著者で慶応大学環境情報学部教授・ヤフーCSOの安宅和人さん出演の「“ジャマおじ”“ジャマおば”を回避せよ」は強烈でした。特に、「革新を起こすというマインドもなく、新しいデジタルに関する見識もなく、かけあわせて何かやろうとしなければ何も起きない。しない方々は本当に邪魔になっているかもしれない」という指摘は、岩盤のようなシニア層の存在が「ジャマ」以外の何物でもないことを強く印象づけました。

【オールドタイプ】目標値を与え、KPIで管理する。
【ニュータイプ】意味を与え、動機付ける。

昭和的な価値観を振りかざして昭和的な振る舞いをする人をオールドタイプ。そうじゃない、令和的、21世紀的な価値観にアップデートさせて振る舞う人をニュータイプ。こんなことを断言する「ニュータイプの時代」を書いた山口周さんは、「オッサン」を定義しているのです。

1:古い価値観に凝り固まり、新しい価値観を否定する
2:過去の成功体験に執着し、既得権益を手放せない
3:階級序列の意識が強く、目上の人に媚び、目下の者を軽く見る
4:よそ者や異質なものに不寛容で、排他的
以上「劣化するおっさん社会の処方箋」光文社新書967より引用。

友人で「サイエンスドリブン」を書いた梅本哲さんは組織内に「50歳以上のローパフォーマー」が存在していることを統計的に明らかにしていますが、上司を変えることで組織が生き返る可能性も示してくれています。

わたしはこれらの人々の本の愛読者でしかありませんが、思い当たる節があるので面白おかしく読み続けています。最低限「ジャマおじ」になるべくならないこと、ニュータイプにはなれないけれども努力すること、ハイパフォーマーにはなれないので部下を持たないこと、と決めています。ただ、どんなに嫌われても書きたいことは書き続けようと決心しています。

もう一つ、パンデミックで在宅勤務が増え、組織内のコミュニケーションが痛んでいます。多少のことなら、気楽に話し合えば済むことなのにできない。まず、コミュニケーションの方法自体から再確認し、何をいっているのか今までの2倍以上の時間傾聴するように心がけ、何をどのように確実に相手に伝えられるのか、整理してから伝えることが重要なのではないでしょうか。

名前はともかく「ジャマおじ、ジャマおば」化回避連合結成したくなりましたが、賛同いただけますか?会費なんか当然、お気持ちだけです。

社会医療ニュース Vol.47 No.557 2021年12月15日