ウィーンからのメッセージ

 元旦の夜はウィーン・フィルのニューイヤーコンサートですね。毎年楽しみにしていますが今年は無観客で巨匠リッカルド・ムーティということで、二拍子のポルカやいつものワルツがすごくいいなと思いました。ポルカやワルツはお気に入りではありますが、なぜか知ったかぶりをして深みが足りないなどと感じていました。しかしよく考えてみると大変な時代背景の中作曲された曲は、音楽だけでも楽観的な気分にしてくれているのだと思い到りました。マエストロ、ムーティの英語の挨拶は賛歌のように聞こえましたし、最後のグラッチェは心に響きました。

 昨年4月はANAの直行便でウィーンへ行き、オペラを鑑賞しようと手配していましたがダメになり心残りでしたので、無観客なのに全員気合が入っていた演奏で音楽の街は健在なことを確認できました。蛇足ですが、今年10月14日から11月1日にかけてウィーン国立歌劇場の5年ぶりの来日公演があります。特に、ムーティ指揮の「コジ・ファン・トゥッテ」は老教授としては見逃せません。どうか切符が手に入り、劇場に行けること祈ります。音楽は希望です。

社会医療ニュースVol.47 No.546 2021年1月15日