クラシックは楽しい
ショパン国際ピアノコンクール」で反田恭平さんが2位、小林愛実さんが4位入賞ということで、おめでたい出来事です。反田さんの奏でるピアノ協奏曲第1番は技巧派で唖然としましたが、少しだけ嬉しい気分で誇らしいと思いYoutubeにかじりつくことにしたのです。
世界中からコンテストをめがけて集まるピアニストは7月に開催された予備予選を87名の方が通過し、10月の本予選となり1次2次3次そして3日間にわたる本選に臨むのだそうです。本選1日目にあたる18日に反田さんが登場し、アンドレ・ボレイコ指揮のワルシャワフィルハーモニーが奏で始め、そして反田さんの第1音が響き渡ります。
鍵盤の上で左手と右手が軽やかに舞い踊っているようで、メロデイーは誌でしかありません。ショパンの曲は感動的なので何かに突き動かされて、全ての予選を何度も聴きます。ノクターン、エチュード、スケルツォ、ワルツ、バラード、マズルカそして本選のコンチェルトは、聴いた覚えのあるものばかりなのに、鮮度が全く違うように感じます。
なんかわかったようなことを書いていますが、わたしはピアノのことは全くわかっていない素人ですし、ショパンはどこかで聴いてきましたが、正直モーツァルトの方が好きです。不謹慎と怒られるかもしれませんが、ぼちぼちショパンを聴き始めた動機は「戦場のピアニスト」以降のことです。それゆえショパンコンクールに注視しだしたのも05年以降にすぎませんが、20年にパンデミックで延期になったというニュースは残念でたまらなかったのです。
音楽の専門家たちによれば「今年はハイレベルの戦いだった」といった論調ですが、パンデミックのせいで演奏者は聴衆の前でリアルに弾けないことになってしまったものの、1年以上熟成されたような音で再登場してきた感じがします。聴かせてもらう側にも大きな変化がありましたし、その分再開の期待が充満していたのでしょう。その凝縮されていたエネルギーが解き放され美しい結晶となったような感覚です。
こんなことを書き散らかしてクラシックに造詣が深い親族や友人に「こんな風に書いてみたけど文章チェックして」とメールした途端、レスです。称賛以外に「ショパンの憂いとはなんか違う感じ」「もっと優しくていいのでは」「ホロビッツとは比較にならない」「哀愁も情緒も足りない」など収拾がつかなくなり「これからどのように成長するかが楽しみ」「最終的評価は個人の好き嫌い」ということで最大公約数化をあきらめた次第です。
10月26日に『ジュネーブ国際音楽コンクール』のチェロ部門で、上野通明さんが優勝したというおめでたいニュースで、それ以降はチェロのコンチェルトにはまっています。クラッシックは楽しいですね。
社会医療ニュースVol.48 No.556 2021年11月15日