病院が標的なのですよ

6月20日医療法人久仁会のHPに「サイバー攻撃による被害について(第1報)」が掲載されました。

「鳴門山上病院本院は令和4年6月19日午後5時40分頃から、ランサムウェアLockbit 2.0 によるシステムへの侵入被害を受け、電子カルテ、院内LANシステムが使用不能となりました。直ちに行政及び関係機関等の御支援により原因の究明と可能な限り速やかな回復に努めております。関係者の皆様には、ご迷惑をおかけすることになり誠に申し訳ございません」。

一時休診したもののその後、バックアップデータを活用し、復旧されたとのことで、被害は最小限であつたようですが、これは大変なことで心よりお見舞いします。

世界規模で暗躍するランサムウエア(身代金要求型ウイルス)の日本の病院への最初の攻撃は、昨年10月31日の未明、徳島県のつるぎ町立半田病院に対するもので、電子カルテをはじめとする院内システムが感染し、カルテが閲覧できなくなるなどの大きな被害が生じました。今年1月4日の通常診療再開までの間、診療制限を受けるというものでした。

半田病院のHPには6月7日付け「徳島県つるぎ町立半田病院 コンピュータウイルス感染事案 有識者会議調査報告書」が掲載されています。病院の情報セキュリテー担当者は必読です。

日経新聞6月24日FINACIAL TIMESのアジア・ビジネス・エディターのレオ・ルイス氏の「日本を襲うランサムウエア」の記事の最後につぎの言葉があります。「どんな小さくて目立たない組織でも、どんな職種でも、それを理由に標的にならないなどと安心はできないということだ」という指摘を、読者の皆様と真剣に共有したいと思います。

可能な限り情報セキュリテーを強化してください。多分、メールに添付されてきたファイルを開くと感染する仕組みになっているのでしょう。信頼できる人からのメールの添付文書以外は「基本的に開かない」ことが必要だと考えられます。その上で、攻撃を受けた後の対応策も考えざるをえません。敵は巨悪な頭脳集団ですので、防衛は必要です。

すいませんが、今年に入ってから小山秀夫名のメールが一時的に乗っ取られてしまいました。ただちに対応したつもりですが、小山秀夫名のメールが皆様に突然送られてくるかもしれませんが、その場合、確認できない添付メールは開かないでください。わたしも私信で「添付」はしないようにしています。大変ご迷惑をおかけしています。

 

社会医療ニュースVol.48 No.564 2022年7月15日