アジア系黒人女性

ブルームバーグ通信などが、7月30日に公表した世論調査によると、大統領選の勝敗を左右する東部ペンシルベニアや西部アリゾナなど激戦7州全体で、ハリス氏の支持率は48%でトランプ氏の47%を上回ったそうだ。

8月4日の朝日新聞1面は「黒人女性・アジア系、初」と打った。これはトランプ氏が民主党のカマラ・ハリス副大統領について、「彼女は黒人と見られたいようだ」「ずっとインド人だったのに、急に黒人に変身した。誰か調査すべきだ」などと発言したことを受けたものだと思う。

ジャマイカ系の父とインド系の母を持つハリス氏のアイデンティティを巡る差別的内容だとして波紋が広がったものの、ハリス氏への支持は逆に広がっているようだ。重要なことは、ハリス氏陣営がすでに3億ドル以上の献金を集めているらしいことと、そのうち3分の2は初めての献金らしい、ということである。

バイデン大統領の選挙戦からの撤退宣言からハリス氏を民主党候補に指名するまでの民主党の動きは迅速だったし、これでまた互角の選挙戦に再突入したことになるのだろう。どのように考えてもアメリカ合衆国は二分されているように思うし、共和党と民主党の主張は犬猿関係でしかない。

内政としての銃規制、人工妊娠中絶の権利、対不法移民対応はどちらかが勝つかによって進展するかもしれないが、ガザ戦争とウクライナのプーチン戦争の行方は不透明だ。今はイスラエルへの軍事支援とウクライナ支援を民主党は継続支持しているものの、共和党になったからといって手のひらを反すようなことはできないらしい。

何しろ戦争はすぐにでもやめて欲しいのだ。

社会医療ニュースVol.50 No.589 2024年8月15日