認知症は悪化している
このパンデミックの間、社会的孤立が、認知症の有無にかかわらず高齢者の神経精神に悪影響を与えているのではないかといったことについて、国内外から報告や論文が多数報告されています。現在までの文献調査結果では、認知症とともに生きる人々にとっては深刻な環境にあると判断することは、比較的容易だと専門家の皆様は言明していただいています。
感染防止対策のため、外出に自粛要請もあり、どこへも行けない、人と話ができない、筋力低下で、テレビの前で一日過ごすしかない高齢者が急増したことは事実です。このような生活が認知症の進行に悪影響を与えていることは確かなのですが、エビデンスをそろえるのには膨大な点と時間が必要になります。
感染症の感染、重症化、ワクチン、治療薬などが注目されますが、実は感染後の後遺症やパンデミックの拡大による病気の進行や悪化について、今後も調査研究が必要です。
社会医療ニュースVol.47 No.554 2021年9月15日