介護DX-Leap-froggingのシナリオを考えよう-
ドイツ語にゲミュートリッヒカイトという言葉があります。のんびりとした居心地よさや幸せな雰囲気を表現する言葉です。ドイツのビヤホールでの乾杯の歌の歌詞にもありますので、仕事抜きで仲間とほろ酔いを楽しんで時の心理描写だという理屈をこねる人もいます。こんな言葉は、日本の標準語にはありません。みちのくの言葉に「あずましい」という言葉がありますが、多分これが適訳なのではないかと思います。
津軽言葉に「うじゃめく」とか「じゃわめぐ」があります。両方とも同じ意味でワクワク・ゾクゾク・ドキドキする感情を表現する言葉です。深堀すると「からだじゅうがざわざわして、居ても立っても居られなくなるような高揚感のことを言い表す」そうなんです。
6月28日に青森市男女共同参画プラザ「カダール」で開催された第20回介護経営学会学術大会には、約280名の参加者でWEB同時配信でも多数のご参加をいただき、お陰様で『介護DX-Leap-froggingのシナリオを考えよう-』というテーマを追求することができました。ご多用中ご登壇いただきました日本Microsoft社の村澤直毅様、大塚商会の林和美様には遠路青森までお越しいただき企業と事業者の接点をご教授いただけたことに深く感謝しています。「この企画は介護経営学会でなければできなかった」「介護DXの出陣式になった」「自由論題、企業提供プレゼン、そしてシンポジュウムの各演者が介護DX一色で最新情報が聴けて楽しかった」などのご意見を頂戴することができました。
介護経営の世界でもICT、DXはマストになっています。ヒトがいないカネがない、その上情報がないというボヤキの声と、何とかしようと努力したが成果がえられない、投資してデバイスはそろえたがオペレーションがうまくできてないという状況に直面した半年でした。ただし、誰もが生成AIが一部無料で簡単に利用できる状況になった今、推進していこうという機運の高まりを肌で感じることができます。
富士山登頂にはいくつかのルートがあるように、どれかを選び十分な準備をして安全に登山を開始すればいいだけです。ただし、どこかで引き返さなければならない場合もあるという覚悟で、一歩一歩昇ればいいだけです。先頭は6合目に到達していますが、今から登り始めても遅くはありませんというメッセージが伝わればよいと良いと考えました。
ご登壇いただきました学会員の皆様、司会進行に御協力いただきました株式会社やさしい手の皆様と慈恵会グループの多数の皆様に改めてお礼申し上げます。協賛いただきました企業様、一般社団法人慈恵会理事長で本学会の丹野智宙理事、株式会社やさしい手社長で本学会事務局長の香取幹理事、そして宇田淳理事をはじめ学会の理事監事会員の皆様のご温情に重ねて感謝します。
大会準備中は「うじゃめく」を終了後は「あずましい」としか言い表せないような体験をさせていただいた皆様に、心よりお礼申し上げます。
社会医療ニュースVol.50 No.588 2024年7月15日